MO R OMI 住宅ローン 繰上げ返済 vs 国債運用
第21回|借入額・返済方式の比較(ボーナス繰上げ返済と運用)

ボーナスで住宅ローンを繰上げ返済するべき?「冬・夏の一括返済」「毎年コツコツ返済」「国債・新NISA運用」の徹底比較

この記事の要点(モデル試算のまとめ) 【PR】プロモーションを含みます

1. なぜ冬・夏のボーナス時期に「ボーナス 繰上げ返済」で悩む人が急増するのか

住宅ローンの変動金利は、多くの銀行で毎年「4月1日」と「10月1日」の年2回、基準金利の見直しが行われ、その2〜3ヶ月後(6月〜7月、および11月〜12月)に新しい返済額のお知らせが届きます。つまり、銀行から「金利見直しのお知らせ」が届く時期と、夏・冬のボーナス支給時期がちょうど重なるため、毎年6月と11月〜12月に「ボーナスで繰上げ返済した方がいいのでは」と調べる方が急増します。

実際に、株式会社400Fが実施した「オカネコ 住宅ローンと金利意識調査」では、住宅ローン契約者の90.3%が「今後変動金利が上昇する」と予想し、約7割(69.9%)が「金利上昇時は繰上げ返済」という考え方に共感しています。しかし同じ調査で、冬のボーナスの使い道として実際に「繰上げ返済」を最優先に挙げた人は12.8%にとどまり、「投資(NISAなど)」(29.5%)や「貯蓄・預金」(28.2%)が大きく上回りました。

その理由は、「住宅ローン金利が何%になったら運用より繰上げ返済を優先すべきか(損益分岐点)」という問いに対し、「わからない・基準はない」と答えた人が32.7%で最も多く、全体の61.1%が具体的な対策を取れずに迷っているためです。

2. 「今回のボーナス100万円」を1回だけ配分したときの25年後の収支比較

まずは、今回のボーナスから100万円を捻出し、「銀行預金(年0.40%)に置いたまま」「今すぐ期間短縮型で繰上げ返済(プランA)」「個人向け国債(変動10年:年2.05%・税引後1.634%)で運用(プランB)」「住宅ローン控除が終わる7年後まで国債に置き、8年目にまとめて繰上げ返済(プランC)」の4通りで、25年後の完済時点の手残りを比べてみます。

図2|「今回のボーナス100万円」を1回だけ配分したときの金利別・純利益比較(25年後) ① 金利 0.75%(既契約層) ・銀行預金:+8万円 ・A 今すぐ繰上げ:+15万円 ・C 控除後繰上げ:+28万円 ◎ B 国債運用:+50万円 (今すぐ返済より+35万円有利) ② 金利 1.25%(2026年標準) ・銀行預金:+8万円 ・A 今すぐ繰上げ:+31万円 ・C 控除後繰上げ:+40万円 ◎ B 国債運用:+50万円 (今すぐ返済より+19万円有利) ③ 金利 1.85%(金利上昇時) ・銀行預金:+8万円 ・B 国債運用:+50万円 ・A 今すぐ繰上げ:+52万円 ◎ C 控除後繰上げ:+55万円 (控除終了後の繰上げが逆転1位)

現在の住宅ローン金利が0.75%〜1.25%で、なおかつ住宅ローン控除(0.7%)の期間が残っている場合、ボーナス100万円を今すぐ繰上げ返済すると7年間の減税還付金が約5万円削られてしまいます。個人向け国債(変動10年・税引後1.634%)に置いておけば、控除を満額受け取りながら複利で増やせるため、今すぐ繰上げ返済するより19万円〜35万円多く手元にお金が残る計算になります。一方、金利が1.85%まで上がった場合は、7年間の控除終了後にまとめて繰上げ返済するプランC(+55万円)が逆転1位となります。

3. 「初回100万円+毎年ボーナス60万円(夏30万・冬30万)」を継続した場合の比較

次に、「今回のボーナス100万円に加えて、毎年の夏・冬ボーナスからも30万円ずつ(年間60万円)を継続して住宅ローン対策に回す」というご家庭のケースを見てみましょう(借入3,500万円・現在の住宅ローン金利1.25%・残り25年・控除残り7年)。

図1|初回ボーナス100万+毎年ボーナス60万(夏30万・冬30万)配分時の25年後純利益比較 +71万円 銀行預金 (年0.40%利息) +183万円 プランA:毎回繰上 (完済8年短縮・17年完済) +210万円 プランC:控除後繰上 (7年間国債→8年目一括) +392万円 プランB:国債積立 (変動10年・年2.05%)

住宅ローン控除の期間中(最初の7年間)に毎回ボーナスで繰上げ返済を続けてしまうと、年を追うごとに年末残高が大きく減り、7年間で計17万円もの減税還付金を失うことになります。控除が終わるまでの7年間はボーナスを個人向け国債や新NISAにプールし、控除が終わった8年目にまとめて繰上げ返済する方が合理的です。

4. すでに「ボーナス払い(ボーナス併用払い)」を組んでいる場合の注意点

モゲチェック(株式会社MFS)の住宅ローンボーナス返済に関する調査によると、日本の住宅ローン利用者の約4割(35.6%〜37.7%)が「ボーナス払い(年2回の増額返済)」を併用しています。一方で、30代の約3人に1人(28.4%)が「ボーナス払いにしたことを後悔している」と回答しています。

三菱UFJ銀行の住宅ローン解説でも説明されている通り、ボーナス払いを併用していると、会社の業績変化でボーナスが減ったときや、子どもの進学費用が重なったときに、年2回の増額返済月(6月・12月または7月・1月)の家計負担が一気に重くなります。

図3|ボーナスを住宅ローンの繰上げ返済に回す前の3ステップ確認手順 STEP 1|ボーナス払いの有無 ボーナス併用払いか確認 ・利用者の約4割がボーナス併用 ・負担が重いなら軽減型や借換 ・生活防衛資金を最優先で確保 STEP 2|控除期間と金利比較 控除期間中は国債で待機 ・控除中は実質金利が0.7%低い ・国債(税引後1.634%)と比較 ・1年経過後は元本保証で換金可 STEP 3|控除終了後の判断 まとめて繰上げ or 運用継続 ・金利1.65%超なら一括繰上げ ・低金利ならそのまま運用継続 ・教育費ピーク時の現金も守れる

もし現在ボーナス払いを併用していて「ボーナス月の引き落とし額が重くなってきた」と感じている場合は、期間短縮型ではなく「返済額軽減型(ボーナス返済分の圧縮)」を選ぶか、手元の現金を使う前に「より低金利な銀行への借り換え」で毎月返済額とボーナス返済額の両方を引き下げられないか確認しておくのがおすすめです。

5. よくある質問(Q&A)

Q1. 冬のボーナスが100万円出ました。全額を繰上げ返済や投資に回しても大丈夫ですか?
まずは「生活防衛資金(生活費の半年〜1年分の銀行預金)」と「今後3〜5年以内に使う予定があるお金(車の買い替え、進学費用など)」が別口座で確保できているかを確認してください。一度繰上げ返済に充てたお金は後から引き出せないため、迷う場合は1年経過後にいつでも元本割れなしで換金できる「個人向け国債(変動10年)」に置いておくのが安心です。

Q2. シミュレーターで「毎年ボーナスからコツコツ繰上げ返済」を試算するにはどうすればいいですか?
トップページの「1. 繰上げ返済予定額」の下にある「ボーナスからの継続充当(夏・冬)」を「あり(毎年ボーナス追加)」に切り替えると、毎年のボーナス充当額(年10万〜300万円)を自在に調整して比較できます。下のボタンからワンクリックでこの条件を反映できます。

この条件(初回100万+毎年ボーナス60万)でシミュレーターを試す コラム一覧(全21記事)へ戻る